x回目の金夜

一体何回目の金曜だろうかと、数えはじめ両手使わぬうちに山手線。Suicaの残高は429円のため（だったはず）ドヤ顔で青の光にかざす。健康な電子音にあと押され、階段を登り良いタイミングの車両に乗り込む。後ろでは演劇についてADについてTV業界について一発触発金曜のサラリーマンが2人。言葉で胸ぐらつかみ合っている。熱こもる語り、ところどころなつかしい言葉遣いの片方の人。（わたし、すぐ横で応援しているよ！まけんな！！）1年と少したった今でも痛感する→東京在住といえどたいていみんなどこかの出身。

それこそ何度目かの夜行バスバスタ新宿。バスタ新宿の前は工業大学前とかで、わたしはバスを待つ。いつもバスを待つ。あの頃は新宿の次が四ツ谷だなんて思ったこともなかったが、今は四ツ谷の次が新宿なこと重々わかる。ただ一切は過ぎていく。戻りたい過去の期間なんか無くて、でも、戻りたい瞬間はあったりもして、今は令和元年。紅白の歌手が発表されたり流行語大賞ノミネートだったり、人類がかわいい季節にさしかかる。くじら座台本をただ待っている